筑前煮を作ると、だいたいいつも量が多くなる。
最初は「ちょっと多いかな」くらいのつもりでも、
気づけば鍋いっぱい。
でも不思議と、それが嫌じゃない。
何日か続けて食べても、
「またこれか」とは思わない。
筑前煮は、そういう料理だと思っている。
親の出身地・鹿児島から続く我が家の筑前煮
我が家の筑前煮は、いわゆる甘辛い味付けだ。
両親は鹿児島出身で、
家では筑前煮のことを「がめ煮」と呼んでいた。
私は別の県で育ったけれど、
食卓に並んでいた味は、親の出身地の影響が色濃い。
しっかり味がついていて、
白いご飯が進む煮物。
筑前煮は、ご飯と一緒に食べるもの。
それが、私にとっての当たり前だった。
👉 九州の家庭料理や味付けの話はこちら(準備中)
相方の実家では「にしめ」と呼んでいた
相方は東北出身。
私の作った筑前煮を、特に違和感なく食べてくれるし、
甘い煮物も「これはこれで美味しい」と言ってくれる。
「実家ではどんな感じだったの?」
そう聞いてみたときに、
味付けや具材の話を教えてくれた。
相方の実家では、
この手の煮物を「筑前煮」とは呼ばず、
「煮しめ」と言っていたそうだ。
味付けの違いは、立ち位置の違い
実際に食べたわけではないので、
味については、あくまで聞いた話になる。
甘さは控えめで、
全体的にキリッとしていて、スッキリした味。
ご飯のおかずというより、
日本酒と合わせる煮物、という感覚らしい。
なるほど、と思った。
👉 煮物とお酒の関係について書いた記事
共通している具材、違っている具材
具材の話を聞いてみると、
共通しているものも多い。
- ごぼう
- にんじん
- れんこん
- 椎茸
- こんにゃく
- 鶏肉
ここまでは、
私の知っている筑前煮ともよく似ている。
一方で、違っていたのは
- 厚揚げ
- ふき
特に、ふきの話を聞いたとき、
「見た目も全然違うんだろうな」と思った。
私の筑前煮は、
甘辛で、濃い色になる。
ふきの薄緑がきれいに出る煮物は、
同じ根菜の煮物でも、
まったく別の表情をしていそうだ。
👉 根菜の煮物に触れた記事(準備中)
違いを知るのが、ただ楽しい
こういう話を聞くのが、私は好きだ。
自分の知っている土地の風習と、
違う味付け、違う具材。
どちらが正しいとか、
どちらが本物とか、
そういう話じゃない。
ただ、
「そういう食べ方があったんだ」と知るのが面白い。
👉 家庭料理と地域差について書いた記事(準備中)
筑前煮は全国共通じゃなかった
少し調べてみると、
筑前煮は全国共通の料理ではないことも分かった。
呼び名も、作り方も、味付けも、
地域や家庭によってずいぶん違う。
家庭料理だからこそ、
その家の歴史や土地の影響が、
そのまま味に表れる。
料理に正解はないと思う
甘辛くて、ご飯が進む筑前煮もいい。
キリッとして、日本酒に合うにしめも、きっと美味しい。
どちらが上、という話ではなく、
どちらもその土地で、
その家で、
ちゃんと愛されてきた味だと思う。
料理に、正解はない。
あるのは、
その家で繰り返し作られてきた、
「いつもの味」


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