「50歳から投資を始めても、60歳まであと10年しかない」
そんな話を見かけることがあります。
先日、50歳から月5万円を10年間積み立てた場合、預金とNISAではどのくらい差が出るのかを比較した興味深い記事を見つけました。
確かに20代、30代から投資を始めた人に比べれば、50代から始められる時間は短くなります。
でも、この記事を読んでいて私は一つ気になりました。

なぜ60歳で運用まで終わる前提なんだろう?
60歳で積み立てをやめることはあっても、持っている投資信託をすべて売る必要はありません。
50歳から始めて60歳で積み立てをやめ、そのまま65歳まで運用する。
それだけでも運用期間は15年になります。
今回は「50代からNISAを始めても遅いのか?」を、50歳から月5万円を積み立てるケースで考えてみます。
👇50代からでも資産運用は始められる?今からできることをまとめました

50代からNISAを始めるのは遅い?「あと10年しかない」を考えてみた
50歳から60歳までなら10年間です。
これだけを見ると、
「10年しか運用できないなら、今さらNISAを始めても意味がないのでは?」
と思う人がいても不思議ではありません。
でも、NISAを始める年齢と、実際にその資産を使う年齢は同じではありません。
50歳で買った投資信託を60歳ですべて売るのであれば、確かに運用期間は10年です。
でも60歳になっても、すぐに使わないお金なら運用を続けることができます。

「60歳まであと10年」=「運用できる期間もあと10年」じゃないよね。
ここを分けて考えると、50代からのNISAは少し違って見えてきます。
50歳から月5万円を10年間積み立てると元本は600万円
まずは運用益を抜きにして考えてみます。
50歳から毎月5万円を60歳まで10年間積み立てると、

5万円×12か月×10年間=600万円
だよね。
投資というと「何%増えるのか」に目が行きがちですが、その前に10年間積み立てを続けることで600万円の元本を作ることになります。
50歳から始めるのと、
「もう遅いから」
と何もしないのとでは、まずこの部分が違います。
預金とNISAでは10年後にどのくらい違う?
元記事では、50歳から月5万円を10年間積み立てた場合について、次のような試算が紹介されています。
| 60歳時点 | 金額 |
|---|---|
| 積立元本 | 600万円 |
| 定期預金 年0.5%想定 | 約615万円 |
| 年3%運用想定 | 約697万円 |
| 年5%運用想定 | 約772万円 |
年5%で運用できた場合には、元本600万円に対して約172万円増える計算です。
ただし、ここは勘違いしてはいけません。

NISAなら毎年3%や5%で増えるという意味じゃないからね。
投資信託は値下がりすることもあります。
60歳になる直前に大きな下落が来る可能性だってあります。
あくまで一定の利回りで運用できたと仮定したシミュレーションとして見てください。
👇そもそもNISAって何?という方はこちらで仕組みをまとめています。

50代からのNISAは「60歳までの10年間」だけで考えなくていい
ここが、今回一番伝えたいところです。
50歳から積み立てを始めて、60歳で仕事を辞めるとします。
現役時代より収入が減れば、それまでと同じように毎月5万円を積み立てるのが難しくなるかもしれません。
だったら、積み立てをやめてもいいと思います。
老後の生活費を削ってまで、無理に投資を続ける必要はありません。
でも、
積み立てをやめることと、運用をやめることは別です。
60歳で新しく買うのをやめても、すでに持っている資産まですぐに売る必要はありません。
50歳→60歳→65歳の時間軸

50歳:NISA積立開始
↓
10年間・月5万円積立
↓
60歳:積立終了
↓
5年間・追加投資なし
↓
65歳
積立期間10年+その後5年運用=運用期間15年
50歳から60歳まで積み立て、65歳まで運用したらどうなる?
では、60歳で積み立てをやめて、その後5年間は1円も追加せずに運用を続けたらどうなるでしょうか。
先ほどの60歳時点の金額を、そのまま5年間運用した単純計算です。
| 年齢 | 元本 | 年3%想定 | 年5%想定 |
|---|---|---|---|
| 60歳 | 600万円 | 約697万円 | 約772万円 |
| 65歳 | 600万円 | 約808万円 | 約985万円 |
注目したいのは元本です。
60歳から65歳まで、新しく積み立てたお金は0円。
それでも年3%と仮定すれば約808万円、年5%なら約985万円という計算になります。
もちろん実際の相場がこの通りになるわけではありません。
それでも、
50歳から始めたら運用期間は10年しかない
という考え方が必ずしも正しくないことは分かります。
50歳から60歳まで積み立てて、60歳から65歳まではそのまま運用する。
これだけでも、
積立期間は10年でも、運用期間は15年です。
60歳で積立終了→65歳まで追加投資なしの比較

60歳
年3%想定:約697万円
年5%想定:約772万円
↓ 追加投資0円・5年間運用
65歳
年3%想定:約808万円
年5%想定:約985万円
※一定の利回りで運用できたと仮定したシミュレーション。将来の運用成果を保証するものではありません。
60歳以降もNISAの積み立てを続けた方がいい?
もちろん、60歳以降も働いていて収入があり、生活にも余裕があるなら積み立てを続けるのもいいと思います。
65歳まで積み立てを続けられたら、それはとても素晴らしい。
でも、続けられなければダメという話ではありません。
60歳以降は収入が減るから積み立てをしない。
これも一つの選択です。
現役時代に作った資産をすぐに使う必要がないのであれば、新しくお金を入れずに運用だけ続けることもできます。
50代からNISAを考えるなら、
「何歳まで積み立てられるか」
だけではなく、
「このお金を何歳まで使わずに運用できるか」
も一緒に考えてみるといいと思います。
50代からNISAを始めるときに注意したいこと
ただし、「長く運用すればいい」と考えて、手元のお金を何でもNISAに入れてしまうのは違います。
特に50代は、20代や30代より老後が近くなっています。
60歳以降の生活費として使う予定のお金や、近いうちに必要になるお金まで投資してしまうと、使いたいときに相場が暴落している可能性があります。
だから私は、
すぐに使うお金と、長く運用できるお金は分けて考えることが大切
だと思っています。
生活防衛資金までNISAに入れてしまう必要もありません。
65歳まで運用できるのは、あくまでその間に使わなくても困らないお金です。
50代のNISAはいくらから始めればいい?
今回のシミュレーションでは月5万円で計算しました。
でも、月5万円でなければ意味がないわけではありません。
月1万円でも2万円でも、自分の家計に無理のない金額から始めればいい。
むしろ避けたいのは、
「月5万円なんて無理だから、私はやらない」
と0円にしてしまうことです。
50代になれば、収入も貯蓄額も住宅費も家族構成も人それぞれ。
NISAの枠を全部埋めることが目的ではありません。
自分が無理なく続けられる金額で考えればいいと思います。
50代からNISAを始めるなら何を買う?
私自身が積み立てている投資信託の一つが、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、いわゆるオルカンです。
一つの商品で世界中の株式に広く投資できるので、長期間かけて資産を育てる選択肢として使っています。
ただ、この記事で投資信託の説明まで始めると話が長くなってしまいます。
👇投資信託って結局何?初心者向けにできるだけ簡単にまとめました。

50代からNISAは遅くない|積立期間と運用期間は別に考えよう
50歳から60歳までなら10年間です。
若い頃から投資を始めた人より時間が短いのは事実。
これはどうやったって変えられません。
でも、60歳で積み立てをやめたからといって、そこで運用まで終える必要はありません。
50歳から60歳まで10年間積み立てる。
60歳以降は収入が減るから、新しい積み立てはしない。
それでもすぐに使わないお金なら、65歳までそのまま運用する。
そうすれば運用期間は15年になります。
もちろん65歳まで積み立てを続けられたら、それは素晴らしい。
でも、できなくてもいい。
積み立てをやめることと、運用をやめることは別です。
「もう50代だから10年しかない」と考えるのではなく、
「今から始めたら、このお金を何年間運用できるだろう?」
そう考えてみると、50代からのNISAの見え方も変わってくるんじゃないでしょうか。
👇貯金だけでなく投資も含めて、お金を貯める順番はこちらにまとめています。


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