会社の人から、保険の相談をされました。

この時期になると保険屋さんから連絡があって、
お茶しながら話を聞くんだけどね。
“じぶんの積立”っていう商品をすすめられたんだけど、どう思う?
聞いてみると、明治安田生命の「じぶんの積立」のことでした。
説明としては、

「いつでも100%以上戻ります」
「人気の商品です」
「生命保険料控除も使えます」
という感じだったそうです。
うん。
これ、安心感ありますよね。
元本割れしにくい。
100%以上戻る。
控除も使える。
人気と言われる。
こう並べられると、
「それなら悪くないのかな?」と思う気持ちはわかります。
でも、私ならここで一回立ち止まります。
貯蓄目的なら、保険である必要ある?
ここです。
結論|じぶんの積立は、入る前に他の商品と比べたい
明治安田生命のじぶんの積立は、
「絶対にダメな商品」と言いたいわけではありません。
元本割れが怖い人にとって、
返戻率100%以上という安心感は大きいと思います。
ただ、貯蓄目的なら、
保険商品だけを見て決めるのは良くないです。
理由はシンプル。
保険は保障。
貯蓄は貯蓄。
運用は運用。
ここを混ぜると、急にわかりにくくなるからです。
毎月コツコツ貯めたいなら、銀行の自動積立定期があります。
元本重視なら、個人向け国債もあります。
老後まで使わないお金なら、iDeCoもあります。
増やしたいなら、NISAで投資信託という選択肢もあります。
だから、まずはこう考えたいです。
保険屋さんにすすめられた商品だけで決めなくていい。
他にも比べる相手はあります。
じぶんの積立は5年払い込み・10年満期の商品
じぶんの積立は、
5年間保険料を払い込み、10年満期で受け取る商品です。
2026年5月1日現在、公式ページでは返戻率・受取率として、
3年・5年は100.0%、7年は103.2%、10年満期は108.3%と掲載されています。
つまり、10年満期まで持てば、
払った保険料に対して108.3%受け取れるということです。
ここだけ見ると、たしかに悪くなさそうです。
でも、気をつけたいのはここ。
5年で払い込みは終わる。
でも、増えるには10年待つ必要がある。
「5年で払込終了」と聞くと、ちょっと軽く感じます。
でも実際は、
払い終わったあとも、さらに5年置いておく商品です。
ここはちゃんと見ておきたいところです。
5年で解約すると、増えてはいない
じぶんの積立は、5年後に解約した場合、返戻率は100%です。
元本は戻ります。
これは安心です。
でも、増えてはいません。
| 毎月の積立額 | 5年間の払込総額 | 5年後に解約した場合 |
|---|---|---|
| 月2万円 | 120万円 | 120万円 |
| 月3万円 | 180万円 | 180万円 |
| 月5万円 | 300万円 | 300万円 |
月2万円なら、5年間で120万円。
5年後に解約すると、戻るのも120万円。
元本が戻るのはありがたいです。
でも、5年間置いて増えていないなら、
「それなら銀行の自動積立定期でもよくない?」
とは考えたいところです。
10年置けるなら、国債とも比べたい
では、10年使わないお金ならどうでしょうか。
その場合は、個人向け国債も比較対象になります。
2026年5月募集分の個人向け国債・変動10年は、
初回適用利率が年1.67%、税引後で年1.3307395%です。
この税引後利率が10年間続いたと仮定して、
じぶんの積立と比べるとこうなります。
| 毎月の積立額 | 5年間の払込総額 | じぶんの積立 10年満期 返戻金 | 個人向け 10年国債 満期 |
|---|---|---|---|
| 月2万円 | 120万円 | 約129万9,600円 | 約132万400円 |
| 月3万円 | 180万円 | 約194万9,400円 | 約198万600円 |
| 月5万円 | 300万円 | 約324万9,000円 | 約330万1,100円 |
正直、差はめちゃくちゃ大きいわけではありません。
でも、今の利率が続く前提なら、
国債の方が少し多く戻る試算です。
しかも、個人向け国債は発行から1年経てば中途換金できます。
もちろん注意点もあります。
個人向け国債は、投資信託のように毎月自動積立できる商品ではありません。
実際には、募集期間ごとに自分で申し込む必要があります。
また、変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、
実際の受取額は将来の金利によって変わります。
それでも、元本重視で10年置くなら、
保険だけでなく国債も見てから決めたい
と思います。
生命保険料控除だけで決めない
じぶんの積立には、生命保険料控除が使えるメリットがあります。
これはたしかに魅力です。
ただ、ここも少し冷静に見たいところです。
生命保険料控除は、
払った保険料がそのまま戻ってくる制度ではありません。
税金を計算するときに、所得から一部を差し引ける制度です。
つまり、実際にいくら税金が安くなるかは人によって違います。
控除はうれしいです。
でも、控除があるからという理由だけで、
10年お金を置くかどうかを決めるのは少し早いと思います。
目的別に見ると、選択肢は他にもある
保険屋さんにすすめられると、
その商品だけを見て考えてしまいがちです。
でも、お金の置き場所はひとつではありません。
| 目的 | 比較したい選択肢 |
|---|---|
| 毎月コツコツ貯めたい | 銀行の自動積立定期 |
| 元本保証を重視したい | 個人向け国債 |
| 老後まで資金ロックできる | iDeCo |
| 増やしたい | NISAで投資信託 |
| 万が一に備えたい | 保険 |
こうやって分けると、少し見えやすくなります。
貯めたいのか。
守りたいのか。
増やしたいのか。
保障がほしいのか。
ここをごちゃ混ぜにすると、商品選びが一気に難しくなります。
まとめ|保険で貯蓄する前に、他の商品も見ておこう
明治安田生命のじぶんの積立は、
返戻率100%以上で、生命保険料控除も使える商品です。
元本割れが怖い人には、安心感があると思います。
でも、貯蓄目的で考えるなら、
保険商品だけで決めるのはおすすめしません。
5年で解約するなら増えていない。
10年置けるなら国債もある。
老後資金ならiDeCoもある。
増やしたいならNISAもある。
保険会社は、保険商品をすすめます。
それ自体は当たり前です。
だからこそ、こちら側が比較対象を持っておきたいです。
「元本割れしません」
「100%以上戻ります」
「控除も使えます」
「人気商品です」
こう言われると、安心してしまう気持ちはわかります。
でも、その場で決めなくて大丈夫です。
一回持ち帰る。
他の商品と比べる。
何年後に使う予定なのか考える。
それだけで、かなり見え方は変わります。
保険で貯蓄する前に、他の選択肢も見てから考える。
これが、保険で後悔しないために大事な考え方です。
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