個別株には、自分で好きな会社を選んで投資できる楽しさがあります。
配当金を目的に買う人もいれば、株主優待を楽しみに買う人もいます。
これから大きく成長しそうな会社を見つけて、株価が何倍にもなることを期待する人もいるでしょう。
個別株には、そんな夢があります。
でも、忘れてはいけないことがあります。
個別株は、買ったら終わりではありません。
私自身、個別株を保有してきて、買うときだけでなく、買った後も考えて決断する場面がたくさんあると感じています。
今回は、個別株の基本から、メリット、リスク、そして保有するうえで必要な判断について解説します。
個別株とは?一つの会社の株主になること
個別株とは、特定の会社の株式を自分で選んで購入する投資です。
例えば、トヨタ自動車の株を買えばトヨタの株主に、イオンの株を買えばイオンの株主になります。
スーパーの買い物に例えるなら、個別株は自分で選ぶ単品商品です。
一方、投資信託は、いろいろな商品が入った詰め合わせのようなもの。
個別株は会社を一つずつ選びますが、投資信託なら一つの商品で多くの会社に投資できるものもあります。

もちろん、個別株も複数の会社を買えば分散投資できます。
ただし、どの会社を何株買うのかは自分で考える必要があります。
投資信託の仕組みや管理費について詳しく知りたい人はこちら。

個別株の3つのメリット|値上がり益・配当金・株主優待
個別株の魅力は、大きく分けると3つあります。

株価が上がれば売却益を得られる
例えば、1株1,000円で100株購入したとします。
購入金額は10万円です。
その株が1株1,500円に値上がりしたときに売れば、売却金額は15万円。
差額の5万円が利益になります。
もちろん、反対に株価が下がれば損失が出ます。
※売買手数料や税金は考慮していません。
配当金で収入を得られることもある
配当金とは、会社が利益などの一部を株主に還元するお金です。
例えば、1株あたり年間50円の配当を出す会社の株を100株持っていれば、年間5,000円の配当金を受け取れる計算になります。
株を売らずに収入を得られることが、配当株の魅力です。
ただし、すべての会社が配当金を出しているわけではありません。
業績や経営方針によって、配当金が減ったり、なくなったりすることもあります。
株主優待で商品やサービスを楽しめる
日本株には、株主優待を実施している会社もあります。
自社商品、買い物券、食事券、サービスの割引など、内容は会社によってさまざまです。
普段から利用しているお店の優待なら、生活にも役立ちます。
ただし、人気の優待だからといって、自分にとって価値があるとは限りません。
優待を受け取るために必要な株数や保有期間なども確認する必要があります。
また、株主優待は変更や廃止になることもあります。
個別株には夢がある!株価10倍のテンバガーとは?
個別株には、投資信託ではなかなか得られないような、大きな値上がり益を狙える魅力があります。
株価が10倍になる銘柄を「テンバガー」と呼びます。
10万円で買った株が100万円になる。
そんな可能性があるのも個別株です。
さらに、実際に10倍どころではない成長を遂げた会社もあります。
10年前にNVIDIAを100株買っていたら?
アメリカの半導体企業、NVIDIA(エヌビディア)を例に考えてみましょう。
もし2016年10月27日にNVIDIA株を100株買って、2026年10月26日まで売らずに持っていたら、どうなっていたでしょうか。

| 金額 | |
|---|---|
| 2016年10月27日の購入額 | 約7,080ドル |
| 2026年10月26日の評価額 | 約864,000ドル |
| 株価の成長倍率 | 約122倍 |
NVIDIAは途中で株式分割を行っているため、当時の100株は4,000株になっています。
※米ドル建ての株価を株式分割調整後で比較した概算。配当金、税金、売買手数料、為替変動は含みません。
これは夢がありますよね。
ただし、10年前にNVIDIAがここまで成長することを、誰が確信できたでしょうか。
途中で株価が大きく下落した時期もありました。
そのときに売らず、持ち続けられたかどうか。
結果を知っている今だから簡単に見えるだけで、実際に保有していたら何度も迷う場面があったと思います。
短期間で5倍、10倍になる銘柄もありますが、それは決して当たり前のことではありません。
大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を出す可能性もあります。
この両方を知っておきたいところです。
個別株はどうやって選ぶ?投資する目的は人それぞれ
個別株は、何を目的に投資するかによって選ぶ会社が変わります。
成長株|会社の成長に期待する
これから売上や利益が大きく伸びそうな会社に投資する方法です。
将来の成長が株価に反映されれば、大きな値上がり益を得られる可能性があります。
ただし、期待どおりに成長しなかった場合は、株価が大きく下がることもあります。
安定株・高配当株|安定性や配当を重視する
比較的業績が安定している会社や、配当金を多く出している会社に注目する方法です。
毎年の配当金を楽しみに保有する人もいます。
ただし、安定している会社でも株価は下がりますし、高配当が将来も続く保証はありません。
優待株|自分の生活に合った株主優待を選ぶ
普段利用するスーパーや飲食店などの優待を目的に選ぶ方法です。
自分の生活で実際に使える優待なら、投資の楽しみが増えます。
一方で、使わない優待をもらっても意味がありません。
優待の魅力だけでなく、会社の業績や株価も確認したいところです。
テーマ株|将来性を感じる分野に投資する
AI、半導体、再生可能エネルギーなど、注目される分野に関係する会社を選ぶ方法です。
テーマへの期待が高まれば株価が大きく上昇することもあります。
ただし、注目が集まっているからといって、その会社が必ず成長するとは限りません。
ここで紹介した分類は、あくまで投資先を選ぶときの考え方です。
一つの会社が成長株でもあり、高配当株でもある場合もあります。
自分が何を期待して買うのかを考えることが大切です。
個別株はいくらから買える?少額投資もできる
個別株というと、大きなお金が必要なイメージがあるかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。
日本の上場株式は、通常100株単位で売買します。
例えば1株1,000円の会社なら、100株で10万円が必要です。
ただし、証券会社によっては「単元未満株」というサービスを利用して、1株から購入することもできます。
同じ1株1,000円の会社なら、1,000円程度から投資できるということです。
また、米国株は一般的に1株単位で購入できます。
少額から個別株を買うことも可能ですが、株主優待などには保有株数の条件があります。
1株買っただけで、100株保有する人と同じ優待を受けられるわけではありません。
購入する前に、必要な金額と条件を確認しましょう。
個別株は買ったら終わりではない|持ち続けるにも判断が必要
ここは、私が個別株を保有してきて特に感じていることです。
個別株は、買うときだけ考えればいい投資ではありません。
買ったときの判断が、明日も正しいとは限らない
買ったときには将来性を感じていた会社でも、状況が変わることがあります。
業績が悪化することもあれば、不祥事が起きることもあります。
昨日まで順調だった株価が、明日には暴落しているかもしれません。
そんなとき、どうしますか?
売る・買い増す・持ち続ける、すべて自分で決める
株価が下がったとき、売却するのか、買い増すのか、それとも持ち続けるのか。
株価が大きく上がったときも同じです。
利益を確定するのか、さらに成長を期待して保有するのか。
自分で考えて決める必要があります。

何もしないと決めることも一つの決断
私は、ここが個別株の難しさだと思っています。
「株価が下がっても何もしなければいい」
そう簡単に言うこともできます。
でも、なぜ下がったのか。
その会社に投資し続ける理由は、今も変わっていないのか。
調べて、考えて、それでも持ち続けようと決める。
何もしないことも、一つの決断です。
そして、決断するには労力がかかります。
情報を集め、業績を確認し、将来性を考える。
それを、必要な場面で何度も繰り返すことになります。
もちろん、毎日売買する必要はありません。
でも、個別株は完全にほったらかしにするのが難しい投資だと私は思っています。
私自身、これまでさまざまな理由で個別株を売却してきました。
損切りした株もあれば、利益が出たから売った株もあります。
売却した後に値上がりした株もあります。
その経験については、別の記事で詳しく紹介します。
▶ 私が個別株を売った5つの理由|損切りだけじゃない株の売り時

個別株のリスクとは?大きく儲かる可能性の裏側
個別株には大きな利益を得られる可能性がありますが、その反対のリスクもあります。
株価が突然暴落することもある
決算発表、不祥事、景気の悪化などによって株価が大きく下がることがあります。
会社の業績が良くても、市場の期待に届かなければ株価が下がる場合もあります。
良い会社を買えば、必ず儲かるわけではありません。
減配や株主優待の廃止もある
配当金や株主優待を目的に株を購入しても、それがずっと続くとは限りません。
配当金が減る「減配」や、配当がなくなる「無配」、株主優待の内容変更・廃止もあります。
会社が倒産すれば投資額をほぼ失う可能性もある
個別株で特に注意したいのが、会社そのものの経営リスクです。
投資した会社が経営破綻すれば、株式の価値がほぼなくなってしまうこともあります。
現物株であれば、通常は投資した金額を超えて損失を負うことはありませんが、投資額のほぼすべてを失う可能性はあります。
一つの会社に資金を集中させるリスク
例えば、投資資金の大部分を一つの会社に集中させていた場合、その会社の株価が暴落すると、資産全体が大きく減ってしまいます。
複数の会社や異なる資産に分散すれば、一社の問題が資産全体に与える影響を小さくすることができます。
ただし、分散投資をしていても、市場全体が下がれば損失が出ることはあります。
個別株と投資信託では、リスクの種類や、投資家自身が判断しなければならないことも違います。
▶投資信託と個別株の違い|決断の労力とリスク

個別株は新NISAでも買える?
個別株は、新NISAの成長投資枠でも購入できます。
ただし、NISAで買えるのは対象となる株式で、すべての銘柄が対象というわけではありません。
NISA口座で買った対象株式を値上がり後に売却すれば、その売却益は非課税です。
対象となる配当金も、条件を満たせば非課税になります。
国内上場株式の配当金については、「株式数比例配分方式」という受取方法を選ぶ必要がある点にも注意しましょう。
そして、NISAは税金がお得になる制度であって、損失から守ってくれる制度ではありません。
NISA口座で株価が下がれば、その分だけ資産は減ります。
また、NISA口座で出た損失は、特定口座などの利益と損益通算することもできません。
NISAの仕組みや投資枠を詳しく知りたい人はこちら。
▶ 新NISAとは?初心者向けに仕組みと始め方をわかりやすく解説

まとめ|個別株は選ぶ楽しさと判断する責任がセット
個別株には、投資信託とは違った魅力があります。
自分で会社を選ぶ楽しさ。
配当金や株主優待を受け取る楽しさ。
そして、将来大きく成長する会社を見つけられれば、投資したお金が何倍にもなる可能性があります。
個別株には夢があります。
でも、買う自由がある一方で、買った後の判断も自分で引き受けることになります。
株価が下がったときも、上がったときも。
売るのか、買い増すのか、持ち続けるのか。
何もしないと決めることも、一つの決断です。
私は、個別株の面白さは、自分で会社を選べることにあると思っています。
同時に、その判断を続けることには時間も労力もかかると感じています。
だからこそ、個別株のメリットだけでなく、リスクや管理の大変さも知っておいてほしい。
大切なのは、自分がどんな投資をしたいのか、どんなリスクなら引き受けられるのかを考えること。
自分で会社を選ぶ投資が好きな人もいれば、投資信託を利用して長期的に資産を育てたい人もいます。
どちらが正しいということではありません。
自分が理解できて、無理なく続けられる投資を選びたいですね。
投資信託やNISAの基本から知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。

▶ お金を貯める方法を完全解説|貯金・新NISA・投資・お金の置き場所ガイド

▶投資初心者ガイド|NISA・投資信託・株の違いを会話で解説(準備中)

コメント